SHORT

□閉鎖、鎖国。
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(国名称です)










俺達の行動は、正しかった。でも正しくなかった。

そうだろ?日本。



2xxx年に世界全体を揺るがす大事件は起こった。

始まりは本当に唐突だった。
世界各国に「○月○日、我が国へ来られたし。来られぬ場合、私は其れがしらを見捨てることとす。以上也」と、日本直筆の手紙が一斉に送られた。


そして約束の日。



「日本どうしたんだろう?」

「何か発表することでもあるんだろうか…?」



会場は已然がやがやと騒いでいた。
そこに、日本は走ってやって来た。



「どうも、ごめんください。」

「やっと来たのかい!日本」

「すみません…上司と話があったんです。皆さん、聞いて下さい!」



日本はいつもより大声で呼びかける。一同は日本へと視線を変える。同時に静かになった。



「…長年上司と話し合った結果、我が国日本国は、本日を持ちまして全ての国際取り決めを放置、即ち鎖国することとなりました。」


数秒経つと、一気に会場はどよめきの嵐となった。



「なっ、何を言ってるんだ日本!」

「そうだ!何故こんな中途半端な時期に…!」





「日本、長年上司と話し合った結果って言ってたあるよな?」




中国はざわめきに負けないくらいの声で日本に言った。



「…はい。それがどうかされたんですか?」



日本はゆったりとした口調で返した。しかし、いつもの彼よりはっきりとした口調で、だ。



「上司と話し合ったのは…一体何年くらいあるか?」


「…国民達の話題として出てきたのは10年以上前、国会で議論として出てきたのが6年程前、そして1年前に出た結果は鎖国、国民がそれを受け止めて更に納得したのが…数日前です。」



日本は笑顔で答えた。








怖い位に、でも、酷く優しい笑顔だった。


 
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