SHORT
□閉鎖、鎖国。
1ページ/5ページ
(国名称です)
俺達の行動は、正しかった。でも正しくなかった。
そうだろ?日本。
2xxx年に世界全体を揺るがす大事件は起こった。
始まりは本当に唐突だった。
世界各国に「○月○日、我が国へ来られたし。来られぬ場合、私は其れがしらを見捨てることとす。以上也」と、日本直筆の手紙が一斉に送られた。
そして約束の日。
「日本どうしたんだろう?」
「何か発表することでもあるんだろうか…?」
会場は已然がやがやと騒いでいた。
そこに、日本は走ってやって来た。
「どうも、ごめんください。」
「やっと来たのかい!日本」
「すみません…上司と話があったんです。皆さん、聞いて下さい!」
日本はいつもより大声で呼びかける。一同は日本へと視線を変える。同時に静かになった。
「…長年上司と話し合った結果、我が国日本国は、本日を持ちまして全ての国際取り決めを放置、即ち鎖国することとなりました。」
数秒経つと、一気に会場はどよめきの嵐となった。
「なっ、何を言ってるんだ日本!」
「そうだ!何故こんな中途半端な時期に…!」
「日本、長年上司と話し合った結果って言ってたあるよな?」
中国はざわめきに負けないくらいの声で日本に言った。
「…はい。それがどうかされたんですか?」
日本はゆったりとした口調で返した。しかし、いつもの彼よりはっきりとした口調で、だ。
「上司と話し合ったのは…一体何年くらいあるか?」
「…国民達の話題として出てきたのは10年以上前、国会で議論として出てきたのが6年程前、そして1年前に出た結果は鎖国、国民がそれを受け止めて更に納得したのが…数日前です。」
日本は笑顔で答えた。
怖い位に、でも、酷く優しい笑顔だった。