LONG

□お初にお目にかかりました。
1ページ/3ページ




初めて坊ちゃんを通じて菊に会った時に、ちくり、と棘の様な痛みが胸から発せられた。


菊と一緒に話すたびに、どくん、どくんと心臓が高鳴った。


自国に帰らなくてはいけない時間になったが、俺は気が気ではなかった。

菊との別れが嫌だったんだと思う。



じゃあね、と言うと、「はい、また今度」、と菊は夕焼けをバックに艶やかに微笑む。



今思い返せば、これが俺と菊の恋の始まり…といった所なんだ。


 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ