LONG
□お初にお目にかかりました。
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初めて坊ちゃんを通じて菊に会った時に、ちくり、と棘の様な痛みが胸から発せられた。
菊と一緒に話すたびに、どくん、どくんと心臓が高鳴った。
自国に帰らなくてはいけない時間になったが、俺は気が気ではなかった。
菊との別れが嫌だったんだと思う。
じゃあね、と言うと、「はい、また今度」、と菊は夕焼けをバックに艶やかに微笑む。
今思い返せば、これが俺と菊の恋の始まり…といった所なんだ。
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