小説

□悪夢
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音隠れの里に来てから、毎晩、嫌な夢を見る。

うちは一族が虐殺された、あの日の夢を……。

夢の中のオレは、いつでも幼い姿だ。

「兄さん!やめてよ、兄さん!」

目の前の光景にオレは泣き叫ぶ。
イタチがうちは一族を殺し回っているからだ。

「やめてよ!兄さん!こんなの嫌だよ!」

オレの叫びは届かずに、イタチは無表情に虐殺を続けていく。
断末魔の叫びがこだまして、真っ赤な血の池が広がっていく。

ほとんどの一族を死体に変えると、イタチは両親の元へ向かう。

「やめろー!」

オレの叫びもむなしく、イタチは両親に手を掛ける。

その一部始終を目にしたオレは、意識を失い倒れ込む。

この夢が毎晩、毎晩、何度も何度も繰り返されている。
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