Long Story

□【密約】(3)
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もう一度唇を重ねる。ちょっと離して、もう一度。
触れるたびに、俺の緊張でからっからに乾いた唇を、大佐のやわらかい唇が優しく潤してくれる。
何度かそうやって唇を重ね、至近距離で見つめあってた俺たちは、どちらからともなく笑いはじめた。――おかしいからじゃなく、すげー幸せで。

思い出す。純粋に中佐に恋焦がれて、追い求めていた日のことを。初めて身体を重ねて、嬉しくて、でもたまらなく不安だった日のことを。
でも、そのどの瞬間よりも、ずっと深く、ずっと強く、いま、信じられないほどあんたが好き。
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