Long Story
□【密約】(3)
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頬に押し当てられた指に指を絡ませてさらに深く口づけると、大佐の舌が絡んで俺をもてなしてくれる。瞬間、股間がずくんと脈打って、思わず苦笑い。だって、俺の身体ってすげー正直なんだもん。
――愛してる。愛してるから、抱きたい。
いまこんなこと言ったら呆れられるかな、なんて思わないこともなかったけど。正直な気持ちを言う、って決めたんだから、なんて変に開き直って、俺は中佐の耳に囁きかけた。
「中佐」
「ん?」
「俺、いますっごくあんたを抱きたい」
照れながら、そう告白する。
てっきり「馬鹿者」とか怒られると思ったんだけど…上向いた中佐は大きな華が開くみたいにふんわりと微笑んだ。
「私もだ。私も…おまえが欲しい」
「! ハイっ!」
嬉しくてぱくっと耳たぶにかじりつくと、中佐の腕が甘えるように俺の首にまわされた。その腕に埋もれるように、俺は首筋から鎖骨へとキスの雨を降らせていく。
ちょっと冷たくて皮膚の薄い肌には、少しきつく吸いつくだけで俺のしるしが刻まれる。あぁ、あんたの全身、俺のキスマークで隙間なく埋め尽くしてやりたい。全部、全部、俺のもの。
シャツを脱ぎ捨て、次に中佐のシャツのボタンにかけた俺の指を、中佐が止めた。
「ま、待て、ハボック」
「? 何スか?」
「こんなとこで…。ちゃんと寝室に、」
初めてのときみたいに、中佐は震えてた。いや、きっと初めてのときよりも。俺はそれを見て…うん。なんだかすごく興奮して、止めるどころか、頭が沸騰しちまって。
「あー、すんません」
「?」
「も、我慢出来ない。ここで抱かせて?」
「は? おい、ハボッ…、ん…っ」
押しつけた唇で、拒む言葉を拒否した。まだお互いのものに触れあってもいないのに、俺も中佐も息が弾んでる。
もどかしくて、じれったくて、ボタンなんか外してらんなくて。結局三つ目のボタンでシャツを破いてしまったけれど、そんなのももう、構ってらんない。ベルトを外して、ボトムを下着ごと引き抜く。ぎりぎりまで張りつめて蜜をこぼしてるそこは無視して、俺は後ろの窄まりに舌をねじこんだ。
「は…っ、あ…ん…」
左右に割り開いて唾液を沈めるように舌をもぐりこませる。指を突き入れ、馴染むのを待たずにかきまわした。優しさが追いつかず、性急になっている行為を、どんどん溢れてくる中佐の蜜が助けてくれる。快楽に身体が跳ねるたびに、ソファにいやらしいシミがつく。
「もう…」とそれ以上を求める言葉にうながされて、俺はずり下げたスゥエットから、痛いほど反り返ったソレを取り出した。
「挿…れます、よ?」
「ん。…ん? っ…あ…ぁぁっ! は、おっ…き…あ…ぁぁぁん!」
「! ちゅ、さ。すげ、挿れた、だけで…イ、きそ…っ」
ひさしぶりのSEXだっていうのに、中佐の身体は俺をやわらかく受け入れてくれる。俺のかたちを覚えてる、ってわかる。だから…根元まですべておさめると、ぴったりと、きっちりと、すべてが合わさる感覚がある。
“ひとつになる”って言うのは比喩なんかじゃなくて、ホントにそうなんだ、って。それを教えてくれたのもあんただね。