短い夢

□最後に泣いた日
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最近のマスターは可愛い。いつも可愛いのだけど、最近は特に。女の子らしさが増した気がする。

「…マスター?」

「…へ?」

それから、ぼーっとしてることが多くなった。考え事…かな?

「ぼーっとしてますよ?どうかしたんですか?」

「…あー、うん。…ねぇミク。相談にのって欲しいんだけど」

おどおどしながらこちらを見ているマスターは凄く可愛い。それに、相談なんて頼られているようで嬉しい。
そう思っていたのが次の瞬間、打ち砕かれた。

「私ね…恋しちゃったの」

どうしてですかマスター。私のこと大好きって言ってくれたじゃないですか。嘘だったんですか?分かってます、そういう意味合いを含んでいなかったことなんて。けれどけれどけれど。私にはマスターしかいないのに。ずるいです。
ああぁあぁぁあぁああ、どうすればいい?私はもういらないの?イラナイ、イラナイ。イラナイ子。

「…ま、すたー」

…あ、そっか。私だけのマスターにしちゃえば良いんだよね?私、ワタしだけのまままマスター、に。私を見てくれないマスターなんてイラナイ。やだ、やだ。私だけをずっと見ていて歌わせて。傍にいさせて。

「?…ミク?」

「…マスター、大好きです。―――だから、」

「?」

「一緒に逝きましょう」

ぐっとマスターの白くて綺麗な首を締める。何だかマスターの歪んだ表情に興奮した。今マスターは私のことでいっぱいですよね?

「み、くっ…な、…で…?」

「そんなの、決まってるじゃないですか!」

マスターが私だけを愛すため。そうに決まってる。

なのにどうして、どうしようもなく悲しくなるのかな。マスター、何故か視界がぼやけているのはどうしてですかね?

ぽたり、ぽたり

水がどこからか滴っている。何処からだろう。雨が降っているの?

「…」

既に息絶えたマスターを抱き締める。段々と冷たくなっていく。解っていたのに。

パソコンの画面に表情されたアンインストールを示すボタンをゆっくりとクリックした。

1%、7%、16%、

「…マスター、マスター、まスたー」

32%、38%、42%、

「大好きです」

体が透けていく。無になっていく。

50%、58%、67%、

ちゅ、と体温が低いマスターの唇にキスを落とす。

71%、83%、92%、

ぽたり、

落とした涙がマスターの瞼に落ちて頬を伝った。

「マすたー、ナかなイデ」

100%

完了の文字だけが悲しく表情されていた。










**

久し振りの狂愛。

っていうか久し振りすぎてヤンデレになってない←
…のがショックです。無念。

昔マガでヤンデリンを書いたんですが、それも駄目だった。
向いてないんですね、分かります(`・ω・)

好きなのに書けない…orz



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