短い夢
□暖かい懐かしさ
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大晦日の夜。私は幼なじみのツナと初詣に来ていた。因みに、私達は付き合っている。朝になれば皆と行くので、2人っきりで一度行こうということになったのだ。はぁ、とかじかんだ手に白い息を吹きかければ、
「手、寒いの?」
とツナが言ったから、うん、とうなずいた。
「釵廩、」
「どうしたの?」
「その、て、手を繋がない?」
言いながら赤くなっているツナをみて、懐かしいな、と思った。
「…ふふ、うん。繋ごっか。」
「…何で笑ったの?」
手を繋いで、ツナは不思議そうな顔をした。
「んー、昔にもこんなことあったなって。…覚えてる?」
「ううん。そんなことあったっけ?」
「あったよ。すっごくちっちゃいときに、お母さん達と初詣に来たとき。――――…」
「つな!はつもうにきちゃったね、はじめて!」
「うん、ぼくも!」
「でも、寒いねー。」
「……」
「つな?」
「て、」
「…?」
「てをつなげばさむくないよ!」
「うん、ありがとう!」
「あらあら、つっくん達は仲良しね。」
「「うん!」」
「…―――って。あのときはツナが頼もしく見えたな。」
思えば、あの時に好きになったのかもしれない。そんな思いを込めて言えば勘違いしたのか、慌てツナは訊いてきた。
「え、今は!?」
少し、答えを言うのに戸惑ったのだけれど、素直に本音を言うことにした。
「今は、…格好良くなった。」
「…えぇっ!?」
また顔を真っ赤に染めているツナに、更に言った。
「今も勿論頼りにしてるよ、ツナ。」
そう言って、微笑む。この関係がずっと続けば良い、と。
「釵廩…。そ、そっか…。そんな風に思っててくれたなんて…、凄い嬉しい。」
「うん。」
「来年も、また来よう。…2人で。」
ツナが手をぎゅっ、と握って来たから私も握り返した。繋いだ手は、暖かく、懐かしい温度だった。
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初詣あんま関係ねぇww
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