短い夢
□私が欲しかったモノ
1ページ/1ページ
分かってた。ツナの好きな人は私じゃないんだってことぐらい。だけど、好きなんだよ。自分の気持ちを制御出来ない。好きがどめとなく溢れて、おかしくなっちゃいそうな程。だから、ちゃんとフラれて気持ちを整理しようって決めた。
「ツナ、」
「あ、釵廩。どうしたの?」
「……好き。」
「…え?…今、何て言っt「私、ツナが好き。」………え、えぇぇぇっ!?」
やっぱり気付いてなかったんだ。ごめんね、ツナ。いつまでも幼なじみでいよう、って言ったのにね。でもごめん。もうこのままじゃいられないんだ。
「ごめんね。ツナが京子のこと好きなのは知ってたんだけどさ。……迷惑なのはわかってる。けd「何か勘違いしてない?」……え?」
言葉を遮られ、驚いてツナを見ると……怒っていた。多分、その勘違いについてだろう。もしかして、本当は告白されることさえも嫌、なのかな…。
「……オレが好きなのは釵廩だよ。」
「……えっ、」
「昔から、ずっと。」
"釵廩だけだよ"
そう言ってツナに唇を塞がれた。言いたいことは沢山あったけど、今はこの深いキスを、ツナの温もりを感じていたかったから。
「んっ、ふ、…ぁ、」
「……っは、好きだよ、釵廩。」
「はぁ、私っ、も……」
「……うん…。」
この一年間を埋めるような甘いキスが
ツナがくれる嬉しい言葉が
嬉しくて、幸せで
涙が溢れた。
私が欲しかったモノ
(それは君のココロ)(でも、)(本当は叶っていた願いなのです)
.