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03/19(Mon) 19:39
stsk×携帯獣A


アルセウスは優しくて、強くて、無償の愛をくれた。たぶん私にとって兄であり父であり母であるのだと思う。どちらにしろ大切な存在であることに変わりはない。唯一私を私として見てくれたから。



「陽子、」

「どうしたの??」

「出かけるぞ」

「えっ、ちょっと!アルセウス!?」

いきなり出かけると言ったアルセウスに置いて行かれないように、パーカーを乱暴に掴んだ。とりあえず少し早足で着いて行ってると、速度が緩まった。その優しさが、とても暖かかった。暫くして着いたのは、河川敷。何があるのだろうか、訊ねようとした時。

「上を見ろ」

「?………わ、綺麗…」

言われるがままに視線を空へ移すと、そこには宝石の様に輝く星々が一面にあった。きらきら、とても素敵。宇宙って、広い。…流れ星でも流れないかな。
こんなにも綺麗な星空、見たことなかった。そもそも空を見ること自体あまりしなかったからだろうか。
どれだけ時間が経ったのか、いや、本当は5分も経っていないのかもしれない。ぽつり、思ったことを漏らす。

「…何か、アルセウスみたい、」

「ほぅ、何故だ」

「んんー、アルセウスって口調とか見た目とか少しキツいし、俺様だけど。…何かね、器量っていうか、器が大きいというか。…何でも受け止めてくれる包容力と、少し不器用な優しさが宇宙みたいなの」

ちらり、大分身長差のあるアルセウスの顔色を伺う。ばちりと視線がかち合った。にやりと口角を上げ、偉そうに笑ってから、アルセウスは私の頭をその大きな掌でぐしゃぐしゃと掻き回した。

「…悪くないな、」

「でしょ??…あー、もう髪がぐしゃぐしゃ」

「いつもと変わらん」

「ひっどいな!!」

星が好きになった。もっともっと宇宙のこと知りたい。…そして、アルセウスのことも。だからね、覚悟してて、

こうして私は星のエキスパートである星月学園に進路を決めた。大嫌いな月子と道が交わったことを知らずに。

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