小ネタ
02/17(Fri) 20:34
stsk×携帯獣
――姉に比べれば大したことないのね
――双子なのに
――出来の悪い子
私はいつでも虐げられてきた。姉の月子だけが誉められ、妹の私はとぼされる。いつも比べられる毎日。それでも姉が好きだった。――あの言葉を言われるまでは。
――陽子はずるい。私、陽子になりたい。
何も知らない無知な月子。馬鹿な姉。一気に今までの恨みや妬みが沸き上がって、私は幼いながらに家を出た。半ば自暴自棄になっていた私を拾ったのは――。
「…お前、独りなのか?」
「……誰、」
「随分と生意気な餓鬼だ。…そうだな、アルセウスとでも言っておこうか」
それは、新しい生活のハジマリ。
「――…アルセ、ウス」
「ふん、悪くはない。お前を拾ってやろうか、」
私は伸ばされた大きな掌を取った。
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