小ネタ
10/17(Mon) 00:32
ジョット
惰眠を貪る様に、
夜というものは必ずや来る。どれだけ願っても、人が死んだって、何を代償にしたとしても。…夜は嫌いだ、だって闇が支配する時間。何かが心臓を喰らうみたいに、私は無心の人形みたいになる。呑み込まれそうなの、全部。
「――そんなに闇が嫌いなら私と一緒にいれば良い」
誰だとかそんなのどうでも良い。貴方と一緒にいれば私は安心を得られるの、
「…それは確かめてみないと分からないな。でも、だからこそ来てみないか?」
「………うん、」
「私はジョットだ、君の名前は?」
私の、名前。名前って、何だっけ。無心だから、人形だから、必要無いから。思い出せない。…そもそも、私に名前なんてあったっけ?
…そうだ、私に名前なんて、ない。
「…そうか、じゃあ新しく名前をあげよう」
――これは夢の始まり。
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