短い夢

□君に熱中症
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ある国でのお話。

ホテルにて。

キノと釵廩はホテルのベッドに寝そべり、だらけていた。今の季節は夏。クーラーもつけたばかりでひんやりともしていなかった。

「暑い……」

そんな中、キノが呟いた。

『だいぶ本格的に暑くなってきたね……。川で泳ぎたい気分だよぅ』

それに釵廩も便乗して呟いた。……そんな二人を見て、エルメスがなだめた。

「もうちょっとしたらクーラーで涼しくなるんだからそれまでの我慢だよ、二人共」

「あぁ……」

けれども、あまり効果はなかった。二人は変わらずベッドの上でだらだらとうなだれている。

不意に、暑さに平気そうなモトラド達に釵廩が言った。

『……いいよね、ピュシス達は。暑さとか平気そうだし』

「そうですか?……まぁ、平気ですけど」

羨ましい、と思いつつ何か冷たいものはないか、と頭の中で巡らせる。冷たいものといえば冷凍庫や冷蔵庫、だ。

そして、

『……あ、氷ー氷ー。冷凍庫の、中、に……あったー!……もごもご』

冷凍庫の中にあった氷を口に含んだ。ひやりと冷たさが口を伝う。まぁまぁ、ましになったなぁ。……そんな釵廩を見ていたキノが言葉を発した。

「氷なんて食べて美味しい?」

『んーん。けど、冷たいから』

「そう……」

釵廩は、キノも欲しいのかな、と思い訊いた。

『食べる?』

「いや、いい。……けど、ちょっと」

キノが手招きをする。
それに習ってキノに近寄った。

『?どうしたの……って、んっ、』

ぐい、とキノに腕を引っ張られ、キノに覆い被さるように倒れ込む。
ちゅ、とキノの唇と自分のそれが、重なる。

「ん……冷たい」

『そりゃあね。氷食べてるもん。でも、ひんやりしてて、気持ち良いでしょ?』

お互いに顔が近いまま言葉を交わす。

「うん、」

そうして、また唇を重ねた。重なる度に、深くなっていく。

『う、んっ、……はっ、ふぁ、………き、のぉ、』

「…ん、…はぁ、ふ、」

氷は融け、いつの間にか体勢が逆転していて、今度はキノが釵廩に覆い被さるようになっていた。……そして、唇の温度が夏の暑さに比例していくように、じんわりと、熱くなっていく。キスで頭がぼぉ、として、お互いの熱に酔っていく。それはまるで、熱中症のように。









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モトラドさん達が途中から空気な件についてww




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