繋がるブック1

□喧嘩売ってくるって馬鹿かっての
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――矢野さんって中学で百人切りしてたとか…

――吉田さんは中学の頃男子全員殴ったとか…





最近、学校中で流れている噂を吉田と矢野に教えてもらった

内容は実にくだらなく、そして気にかかることが一つ


       
「その噂では俺も吉田に殴られてるってことじゃん」


「まぁ、そーなるね」


「うわ、俺は吉田に負けてないのに…」


「う、うるさい!あれはあたしが調子悪かったんだ!」



「調子悪かった日に喧嘩売ってくるって馬鹿かっての」


「だってちづは馬鹿じゃん」


「……そっか」


「うるさいうるさいうるさーい!なんだよやのちんまで名無しの味方してー!」


         
3人でくだらない話をしているが、大体の噂の根源は予想ができていた


確かな確信を取れないので、これ以上噂がヒドくなったときの保険ということで

         
彼の脳裏に浮かんでいる根源の正体は自分のもっとも近い位置にいて、多少捻くれているあの幼馴染なのだが



「…はぁ」

 
「どうしたの、ため息なんてついて気持ち悪い」

  
「あのねぇ…それって俺に対して失礼」


「あーごめんごめん」


      
  
ほっほっほと矢野は笑った

噂の二人は対して内容事態にさして気にせず、問題は噂を流したといわれている黒沼の方で




「で?名無しは貞子がやったと思ってる?」


「まさか。黒沼がそんなこと言えるわけないと思うけど」


「だよなー!」


    
今度は吉田があはは!って笑いながら俺の背中をばしばし叩いた

痛い痛い痛い



         

運動部入れよ、もう

(この有り余った力で散々叩かれてる龍が可哀相)(なんだそれ、レディースに対して失礼だぞ!)
(レディース?ヤンキーの?)(いや、違うから名無し)









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