繋がるブック1
□俺この席すごくムズがゆい
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「お、やった龍の隣」
「おー、名無しだ」
「前は…まだ来てないか」
各自、くじを引いて番号の席へ机を動かしていく
そんな中、俺は見事16番を引いて
何故見事かって言うと、隣の席が龍だからだ
そして、一人ぽつん、と立っている黒沼の番号を覗き見した
「お、黒沼、俺の斜め前じゃん」
「え、え!?本当だ…!」
「なんだろね、俺ら。運命?」
「うううう、運命っ!?そんな滅相もないよ!!」
「あっはっは」
――19の人とっかえて!
雑談をしていると不意に聞こえた我らが翔太の声
19番のくじを持った人物と席を交換すると、戸惑いなく俺らの元へ寄ってくる
「翔太、本当男前すぎて惚れそう」
「あー?なんだそれ!」
そして、席替え完了後、
「……龍ー」
「ん?」
「俺この席すごくムズがゆい」
「…なんで?」
「いや、なんていうか…目の前の二人?」
「ご、ごめんなさいっ!」
「いや、黒沼悪くないから大丈夫。どっちかってーと、翔太のせい」
「なんでだよー!」
俺の願いは叶えてくれますか
(まぁ、二人抜きにしてもその前もスゴいしねぇ)(あー、千鶴と…)(矢野ね、名前覚えようよ)(なんか読んだー?)
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