繋がるブック2

□できれば人型がいいです
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『クラスの出し物は「貞子の黒魔術カフェ」なんかどうだろう』





「…黒沼がんばれよー」

「う、あ、うん!がんばるね!」


「ねーね、名無しさー、百鬼夜行のときの服なにがいー?」


「あー?別になんでもいいけど」


「俺はからかさおばけなんだぜ!」



文化祭出し物決定後の休み時間
クラスの出し物メインの黒沼に応援の言葉をかけたが、どうやら今から緊張しているようで



「あんなのは止めて欲しいな。できれば人型がいいです…吉田は?何着るの?」


「あたし?あたしはー…たしか蛇女とかなんとか!やのちんはねぇ…ごにょごにょ」


「ちょっとちづ」

「へぇー、矢野のかわいーじゃん」


「っ……ちょっとトイレ行って来る」

「いってらー!…でさー、こんなさっき借りてきた妖怪全集というものがあって」

「おー仕事早いね吉田は」

「へっへー!もっと褒め称えろ!敬え!跪け!」

「どこで覚えたのそれ」



ぎゃはは!といつもと変わらない雑談をして
全集を覗く

…全然わからない



「吉田ぁー」

「んあ?なにー?」

「俺、妖怪全然わからないから吉田と黒沼とかと決めちゃっていーよ」

「おうわかったー!」



どたどた、と龍の方へ吉田はいきおいよく向っていった…アイツの擬音はうるさいのしかないのか




「ねぇ名無し…くん?」


「ん?なーに黒沼」

「…あやねちゃんと何か、あった?」

「…うーん。告白した」

「うぇえ!?こ、こここ告はっ」

「ちょーっと声でかいからな黒沼」



真実を告げると同時に大きくなった黒沼の声
周りに聞かれるとマズイ…と黒沼の口を押さえる
…うん翔太の視線が痛いなぁ





そんなこっち見るなって

(ごめんなー黒沼。いきなり口押さえて)(い、いやっ!私が悪かったので!)(うんだからさぁ…声、抑えよう)




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