魔法

□02
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「じゃあ名無し、2時間後にここで」

「うん。じゃーね!」


お店の前で止まって手を振るリリーに手を振ってから駆け出す。すると、リリーが大きな声で

「こら走らないの!転ぶわよ!」

と怒った。
シリウスと一緒で心配性なリリーに大丈夫!と言ってから名無しはゆっくりと歩き出した。





02





「ふう。終わり、かな」


使い古した羽ペンとお別れするのはなんだか切ないけど、新しい羽ペンを買えってシリウスに怒られたから仕方ない。
それに食いだめする用のお菓子も買った。

前から欲しかった物も買えた。

少しだけ多い手荷物に手惑いながらもふらふらと余った時間を堪能していると、つるりと足が滑る感覚がした。



――しまった。今日はお気に入りのスカートなのに。



怪我をするということよりも、まずそんなことを考えていた。
だってこれはシリウスが誕生日にくれたスカート……あぁ、怒られるなリリーにも。


でも滑ってしまったものは仕方ない、と目を瞑ると見事腰に衝撃が。……おしりっ………!
残念ながら転ぶ直前に支えてくれる王子様は現れなかったらしい。最初から期待なんてしていないよばか!


「〜〜ったぁ!」


ジンジンと響く腰を摩っていると(最早立つ気もない)後ろからクスクスと笑い声が聞こえた。
周りに人はいない、勝手にそう安心しきっていた名無しは慌てて声の方へ振り向いた。
うそ、見られた……!?


「あぁ、ごめん。…ほら」


そう言うと笑っていた青年は前に来て、手を差し出した。おお、好青年だ……!




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