I.cブック
□照れ笑いにやられる
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手元にある紙、そこに書いてある数字と黒板を見比べる
次に、黒板の通りに机を乱雑に動かして、周りを見渡す
「……俺って超クジ運いーかもしれない」
「また名無しくん一緒だね!」
「なー!今度ノート写させてな黒沼!」
「わ、わわ私でよければ……!」
「あー!名無しずっりー!」
黒沼と誓いという名の握手を交じわす
何処からか視線が刺さり、そこを見ると翔太
はっはー、羨ましいだろ!だがこの席は譲らん
この際指を俺に向けて何やら文句を言う吉田は見てみぬフリだ
っていうか本当に黒沼大好きだなあいつら
休み時間のチャイムとともにわらわら、といつものメンバーが集まってくる
その中にはぷりぷりと怒る翔太も交じっているわけで、
…ぷりぷりってきもちわるいなぁ
「お前絶対見せ付けてるだろ!」
「えー?変な言いがかりつけないでくださいよ翔太くん」
「矢野だって見せ付けられてかわいそうだろ!」
「いや、まったく妬いてないけど」
翔太が矢野に話を振るものの、まったく動じなく、むしろしれっと言い返す矢野
……なんかあれだよね。妬いてないとは思ってたけど、ここまでしれっと言い返されると思わなかったんだ
「ここまで素っ気無い彼女を持った俺を慰めろよ」
「いや、うん、なんか…ごめん」
「風早さー…こんなんでいちいち妬いてたキリないからね」
「や、妬いてなんかっ!」
いや、妬いてるだろ、と思わず突っ込む
言い返すことができない翔太に苦笑し、龍を起こして二人を置き去りに4人で廊下を歩く
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