I.cブック

□出発準備?今のでやる気が削がれました
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「なんで龍がそんな眠そうなの」

「…寝たりねー」


散々昨日寝てたくせに。あまりにも幸せそうになるもんだから無理に起せなかったじゃんか


「うお、尻尾生えてる!名無し何のかっこ?」

「んー…となんだっけ?白狐だったかな」


前日…というか今日、携帯に送られた吉田からの画像
何かと思いながらびくびくと開いて見るとそこにあったのは白い狐の絵

【これ名無しの衣装のモデル!んでもってやのちんが今超必死になって作ってるよ!】


どうせなら白狐より矢野の画像を送ってほしかったなぁと思った


「名無し、ちょっとこっち来て」

「んあ、前髪?」

「そう。もう時間あんまないんだから」


ちょいちょい、と呼ばれてそっちへ行くと何やら衣装替えした後の矢野と蛇を巻いた吉田と、

白い着物を着て少しだけ化粧をした黒沼…と黒沼を遠くから眺める翔太
ったくあいつは


「あんなとこで見てないでこっち来りゃあいいのに」

「ったくねー、最近のあの二人のもどかしさといったら……もう!」

「がまんがまん」

「くっ……!」

「痛い!俺の前髪に当たらないで!」

「ぎゃはは!名無し、髪上げっとガキっぽくなる!」


指を指して笑う吉田をにらむ
その間に矢野が前髪を止め終わらせていて
ひーひーと腹を抱えて龍の方へ行く吉田に少し拗ねてみる


「?できたわよ」

「…ガキみたいって言われた。俺そんなにガキっぽい?」

「…なに拗ねてんの?」

「ん、ガキっぽいなんて言われて喜ぶヤツいないって」

「なんか名無しかわいい」


顔を俯かせてみても普段落ちてくる前髪はない。なんだか物寂しい


「かわいいってもっと嬉しくないし、……矢野の方がかわいいし、あと…衣装似合ってるもん」

「こら、学校でんなこと言うな」

「あー、最近矢野が照れてくれない。反応薄い」

「何言ってんの照れてるわ。だから学校ではやめろって言ってんのに」

「…照れるんだ」


うるさい、と顔を赤くはしないもののそっぽ向く矢野はやっぱり可愛い


「へへ、かわい」

「…っ」


「おら、行くぞー!野郎共ぉ!」

「「うおー!」」

「行こ、名無し」


座っていた俺を引き起こして自然と横にならんで歩く
その横には黒沼も、吉田も翔太も龍も



 

出発準備?今のでやる気が削がれました

(くっそ覚えてろよピン…)(?行くぞー)(うお…翔太今日もイケメン)



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