ロックマンXF
□インターミッション1『ムーンダスト』
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ポイントBタウンでの事件から数日が経過した。
破壊された区画の修復作業も順調に進められていた。
キャリアー・ベースから出て行く人影を二階の自室から見つけたアリス。
人影は振り返りアリスの部屋の窓を見た。
人影の正体は、戦闘用アーマーを上半身だけ外し、レプリロイド用の黒いジャケットを着込んだジューダスだった。
お互いの視線が重なる。
ジューダスは何も言わせずに街へと歩き出した。
首に巻いた赤いマフラーが街角へと消えた。
街が賑わい出す頃、二階の談話室兼食堂に、ジューダスを覗いたメンバーが食事を取っていた。
ルイスはアーマーを外してフリルの付いた可愛らしい洋服を着ていた。
アリスは、いつもの赤いアーマーを装着している。
フィクスもアーマーを装着している。
この二人は有事の際に何時でも出動出来るようにと普段からアーマーを装着していた。
ジューダスも基本的にはそうだが、非番で街に出る際はアーマーを外している。
ルイスは、休みにまでアーマーを装着したく無いのと、年頃の女の子らしくお洒落がしたい為に非番は私服に着替えいる。
フィクスはオイルを飲みながら、二人の食事風景を眺めていた。
二人は、人間と同じ食事をエネルギーに変換する事が出来る。
レプリロイドの中でも人間と同じ食事からエネルギーに変換出来る個体は少数しか存在しない。
フィクス「人間の食事って美味しいの?」
ルイス「色々な食べ物があって楽しいですよ。」
アリス「効率的なのは、エネルギーを外部からチャージしたり、オイルを飲んだ方が速いな。でも人間の食事には色々な味があるから、私はこちらの方が好きだ。」
フィクス「そうなんだ。少し羨ましいかな。」
自分のカップに注いだオイルを眺めなが呟く。
ルイス「フィクスさんも、パパに食事が食べられるように改良して貰ったらどうですか?」
フィクス「それは、パスかな……ジューダスは?」
アリス「彼なら朝早くに出かけたよ。」
フィクス「そうですか。」
ルイス「いつも行き先を告げないで出かけますよね。」
アリス「彼には彼のプライベートがある。私は部屋で書類を整理しているよ。何かあったら室内通信で頼むよ。」
キッチンで食器を洗ってから自室へと戻るアリス。
フィクス「ボクもメンテナンスルームに行くよ。」
ルイス「何処か故障ですか!!」
ルイスは大袈裟な声を上げて心配する。
フィクス「大丈夫。何処も故障なんかしてないよ。軽いチェックだよ。」
フィクスは柔らかい笑みを浮べてカップを洗いに行く。
ルイス「わたしも行って良いですか?」
フィクス「構わないけど、退屈じゃないかな?」
ルイス「そんな事ありません!!ささ、行きましょう。」
ルイスはフィクスの腕を取って歩き出そうとした。
フィクス「そんなに急がなくても……」
二人は一階のメンテナンスルームに向って歩き出す。