ロックマンXF

□パニックタウン
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通信機にハンターベースからの通信をキャッチした。

『……リアBに………イレギュラー………近くの………ハンターは………至急……』

ノイズ混じりの通信は電波障害で回線が切れてしまった。
白のアーマーを装着した少女型レプリロイドの『ルイス』は車内通信に切り換える。

ルイス「お姉ちゃん。エリアBタウンでイレギュラーさんです。」

数分後、赤いアーマーを装着した女性型レプリロイド『アリス』が現れた。

インカムを装着してルイスの隣りの席に着く。

アリス「ルイス、状況は?」

ルイスは衛星からのエリアBの映像をモニターに映し出した。

高層ビル程の大きさのメカニロイドと土木作業用のメカニロイドが破壊活動を行っていた。

アリス「酷い有様だ。『フィクス』、『ジューダス』……聞こえるか?』

通信機のスイッチを入れて『フィクス』と『ジューダス』二人のイレギュラーハンターに連絡を取る。

モニターに群青のアーマーを装着したレプリロイドが映る。

その容姿は伝説のイレギュラーハンター『エックス』に酷似していた。

『エックス』と違いはアーマーの色とメットレスにして髪を見せている事。

フィクス「今………エリアBタウンに………到着しました。」

ノイズ混じりの通信で映像が乱れた。

アリス「電波障害か……フィクス、ヘルメットを装着して、衛星通信に切り換えてくれ。」

フィクスは頷いてヘルメットを装着すると衛星通信に切り換えた。

映像の乱れとノイズが消える。

フィクス「アリス。市民の避難誘導があまり進んでいません。」

フィクスの声に混じって雨がアスファルトを叩き付ける音が聞こえて着た。

ルイス「大変です!!各地でイレギュラーさんの破壊活動が行われてます!!その影響で、電力の供給がストップしてる地区が幾つかあるみたいです。」

アリス「レスキュー隊も総動員でてんてこ舞いか……ハンターベースからの応援も期待出来ないな。フィクス君は、エリアBタウンのイレギュラーの鎮圧を優先してくれ。」

フィクス「了解です。」

フィクスからの通信が切れた。

ルイス「フィクスさんだけで大丈夫かな。」

アリス「『A級のイレギュラーハンター』だぞ。メカニロイドの鎮圧くらい問題ないよ。」

フィクスは、身体を数センチ地面から浮かせて滑る用にダッシュしていた。

背中からグリーンのビームマフラーを展開させる。

右手を上腕部に収納すると手の変わりに銃口が飛び出した。

フィクスの武器『フィクスバスター』への変形が完了した。

ヘルメットから狙撃用スコープが右目に展開された。

ダッシュしながらバスターを構えスコープで照準を定める。

センターマークにターゲットをロックした。

銃口からライトグリーンのエネルギー弾が発射され、メカニロイドの動力路を撃ち貫いた。

フィクスはビルの瓦礫に挟まったレプリロイドを発見する。

瓦礫を持ち上げてレプリロイドを救出した。

フィクス「歩けますか?」

「はい。大丈夫です……え、『エックス』!!」

レプリロイドはフィクスとエックスを間違えた。

フィクス「違いますよ。それより早く避難をここは危険です。」

穏やかな笑みを浮べてレプリロイドの背中を押した。

レプリロイドが見えなくなるとフィクスは俯いた。

フィクス「『エックス』か。そんなにボクは似てるのか……今は任務が最優先だ。」

アリスは衛星通信を使い各地のレスキュー隊とオペレートしていた。

モニターに漆黒のアーマーを装着したレプリロイド『ジューダス』が映る。

ジューダス「聞こえるか?」

ルイス「バッチリ聞こえてますよ。お兄ちゃん。」

ジューダスはあからさまに嫌な顔した。

ジューダス「……それは止めろ。メカニロイドをラジオコントロールしてるイレギュラーが居る。周波数のデータを送るから逆探知してくれ。」

そう言ってデータを送信すると通信が切られた。

ルイス「ちょ……もう……。」

高層ビルの屋上を跳び移りながらタウンの状況を見るジューダス。

あちらこちらで火災が起きては居るが、雨のお陰で炎が燃え広がる事は無いようだ。

ビルの壁にピタリと音も無く着地すると、ヘッドギアからフェイスガードを展開した。

首に巻いた赤いマフラーがさながら、忍者の様だった。
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