ガンダム戦隊SEEDレンジャー!

□SEEDレンジャー4
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「──…」

アズラエルはソファに埋もれさせていた身体を起こすと、軽く頭を振った。

懐かしい夢につられて、古い写真を取り出す。
幼いアズラエルが、満面の笑みを浮かべて、1人の少女と手を繋いで写っている物だ。

ヴィア・コスモス──何の汚れもない本当の宙は青いのだと、アズラエルに教えてくれた少女。


アズラエルが同年代のコーディネイターの少年たちに虐げられた時、彼らを恨まずにいられたのは彼女がいたからだ。

彼女が手当てをしてくれるなら、怪我くらい何でもなかった。
むしろ相手の少年たちに対して、優越感を覚えたものだ。

彼らは、ヴィアと仲のいいアズラエルに嫉妬していた事を知っていたから。


『ムルタ。コーディネイターの全てを憎まないで。私はコーディネイターではないけれど、それに近いモノだから…』

アズラエルが好きだった穏やかな瞳に、哀しみを湛えて、そう訴えた彼女は今はもう亡い。



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