ガンダム戦隊SEEDレンジャー!

□SEEDレンジャー! 2
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やってきたのは、金髪に青い瞳、端正な顔立ちの長身の男だ。

「フラガ副官」

「ハウ君、俺にもコーヒー」

「はい」

ムウ・ラ・フラガ。
地球都市の正規軍に籍を置きながら、SEEDレンジャーの主要人物の一人で、副官の立場にある。
普段は軽いノリの男だが、いざという時は頼りになる、アスランたちの兄貴的存在だ。
ただ、いざという時というのはあまりない。

「何だ何だお前ら、暇そうだな」

「フラガ副官、どうぞ」

「ありがとう」

ミリアリアはムウにカップを渡し、もう一つ持ってきていたカップをディアッカの前にも置く。
だがディアッカはそれを見てはいなかった。

「お前ら、訓練はちゃんとしてるのか?」

「ちゃんとやってるって」

「じゃあ確認させてもらうか〜?」

「望むところ」

「よぉし! オッサン、勝負だ!」

「オッサンじゃない!」

イザークとディアッカはムウに促されて立ち上がったが、アスランは窓辺から動かない。

「どうしたんだ、アイツ?」

「どうした、って…」

ディアッカはアスランにチラリと視線を向けてため息をつく。

イザークの方は軽く目を伏せたままで、虫でも追い払うような仕草で手を振った。

「…?」

不親切な二人の態度に首を傾げるムウに、ミリアリアがやはりため息まじりに吐き出した。

「キラ・ヤマト」

テーブルのカップを片づけながら、ミリアリアは続ける。

「副官はご存じなかったんでしたっけ? お隣のアズラエル商会の彼──アスランの幼なじみなんです」

「それは知っているが…アレとどういう関係があるんだ?」

「いつもの時間が過ぎてもウチの前を通らないから、心配してるんです。ウチとお隣とは言っても、アズラエル商会は地球都市に属し──」

ミリアリアの声をかき消したのは、椅子を蹴倒して立ち上がったアスランだった。

「何かあったんじゃ──!」

独り言にしては余りに大きい呟き。
やや血の気がひいたその顔色。
アスランが本気で心配しているのがムウにもわかった。

「アスラン!」

「?──フラガ副官!? 失礼しました」

ここになって、初めてムウの存在に気付いたのだろう。
アスランは姿勢を正すと、手をあげて敬礼した。

今更だろうが…とため息をつきながら、ムウも敬礼を返した。



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