ガンダム戦隊SEEDレンジャー!

□SEEDレンジャー! 2
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宇宙(国名)には、3つの自治都市が存在する。

プラントシティ、地球都市、そしてオーブ首長区だ。

そのうちの2つ、プラントシティと地球都市は隣あっていながら、昔から不仲だった。
どちらも宇宙では1・2を争う、自治を認められた大都市であるため、国家もうかつに手を出せずにいた。
そんな2大都市の間に第3の自治都市・オーブ首長区が立つことで、争いが表に出る事はなかった。

だが、その均衡が今崩れようとしていた。

事態は水面下で、静かに進んでいた。





──が、とりあえずSEEDレンジャーは今日も暇だった。

SEEDレンジャー事務所はプラントシティの端にあり、お隣のアズラエル商会は地球都市の端になるわけだが、取りあえず個人的な関わりはなく、争いもなければ親しい付き合いもなかった。

アスランも、キラとその養い親となっているムルタ・アズラエル以外、どんな人がいるのかは知らない。
だが、キラが度々プラントシティに遣いに行かされている事から、アズラエル商会は親プラント派なのだと思っていた。
後に、それが大きな過ちだと気付く事になるのだが…。


それでも今は平和だった。

ただ一人を除いては。

「コーヒー入りましたよ」

ミリアリアに何度目かにそう声をかけられた時も、アスランはじっと窓の外に視線を向けたまま動かなかった。
何か真剣に考え事をしているような、静かな表情で。

ディアッカはそれを横目で確認して、羨ましいと思う。

(ああしてると、クールに見えるんだよな、アイツは…)

実際は、バカバカしい事を考えていたとしても、だ。

「アスランさん? コーヒー…」

「アイツは自分の世界でイッパイイッパイなんだ。放っとけよ。それより、お代わり入れてくれ」

「…そう?」

「あ、俺のお代わり…」

「自分で入れれば?」

「お前なぁ! アスランやイザークには入れてやるクセに…」

「『お前』…?」

ミリアリアがピクリとする。

「一度目はアンタのも入れてあげたでしょ。おかわり言うのアンタだけなんだもの」

「かっわいくねぇ女」

「何か言った!?」

「言ってません…」

その時、珍しく外から扉が開かれ、ミリアリアは慌てて来客用の表情を作った。
入ってきた人物を見止めると、表情を緩めて迎える。



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