SEED&Destiny 1
□ガブリと咬むからガブリエル。
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「急ぎの仕事ですか?」
「そういうわけじゃないんだけど──」
「じゃあどうして…?」
「食欲がなくて」
「は?」
いきなり話題が飛んだ気がするのは気のせいだろうか。
そんなシンの思考も置き去りに、キラはマイペースに続ける。
「本当に全くなくて。で、ここにいたら匂いとかで食欲わくかも──って思って」
「へぇ…」
相変わらず掴みどころのない人だと考えながら、シンは隣で遅い昼食をとる。
もう昼食のピークは過ぎており、食堂内の人はまばらだ。
どうやらキラの目論見は不発に終わったようだ。
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