SEED&Destiny 1

□君を待ってる
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「何もなかったよ。いつもと同じ」

好き好んで入った研究室に望んだ仕事、気の知れた仲間。

何の問題もなく、何の不満もない──いつもと変わらない1日。

「ただ──」

こういう時、顔の見えない電話は便利だと思う。

「──声が聴きたくて」

電話の向こうで、息を呑む気配がした。

きっと驚いたんだろう。

だって、ぼくも驚いたんだ。

押し切られるように一緒に暮らし始めて、もう半年くらいは過ぎただろうか。
その間、ぼくからは一度も、それらしい言動を見せる事はなかったから。


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