SEED&Destiny 1

□ある放課後の幸運
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「じゃあな、シン」

「気が向いたら来いよ」

そうシンに声をかけて、友人たちはいつものように教室を飛び出していく。
一番後輩である1年は、準備を済ませて先輩を待たなければならないのだ。

シンは手を振って適当に応えながら、小さく溜め息をつく。

絶対的な年功序列の上下関係に、実力は度外視される──そんなトコロが好きになれないのだ。

急ぐ彼らとは対照的に、シンはいっそワザとらしい程にゆっくり歩きだした。



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