SEED&Destiny 1
□ある放課後の幸運
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放課後。
帰宅部のシンは、部活動に勤しむ他の生徒を後目に、さっさと帰るのが常だった。
入学当初ほどではないが、長く校内に残ると部活動の勧誘が鬱陶しいのだ。
身体を動かすのは嫌いではない。
運動神経が良く何でも器用にこなすため、体育の授業やクラスマッチでは活躍を見せるシンだが、協調性に欠ける面がある。
運動部特有の、先輩後輩のけじめに関して無駄に厳しい縦社会や熱血さとは、相性は余り良くはなかった。
「シン、ブランクほとんど関係ねーじゃん。また一緒に組まねぇ?」
クラスマッチの後に、友人のヨウランが冗談っぽい口調で誘った。
中等部ではバスケ部員として一緒にプレイし、シンの実力を知っているだけに、軽い口調の裏には本気が見てとれたが、シンはあっさりと首を横に振った。
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