SEED&Destiny 1
□ある朝の小さな奇蹟
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学期末試験が終わると、教員がその採点を終えて結果発表を張り出されるまでの期間に、クラスマッチが行われる。
今回は男子がバスケットで女子がソフトボール。
クラスマッチは、言うなれば体育祭の縮小版だ。
熱血して臨む生徒と、惰性のまま参加する生徒に分かれる。
ヴィーノたちはどちらかと言えば後者であり、強制参加でなければ出たいとも思わない。
「昨日まで試験で寝不足なのに、マジ勘弁」
寝不足になるほど勉強したワケでもないクセに──ヨウランはそう思ったが、言わずにおいた。
「それ、ルナマリアに直接言ったら」
代わりにそう口にすると、ヴィーノは苦い表情で首を振った。
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