SEED&Destiny 1

□平行線の交叉
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「では、何に誓ってくれますか?」

キラは自嘲の思いを人の悪い笑みで隠して、彼を振り向いた。

「──月に、でも?」

「……君が、それを望むなら」

彼の腕から力が抜け、キラはまたスルリと抜け出した。


『夜毎に色を変える、不実な月に愛を誓ってはいけない』


古い戯曲にある一節だ。

キラより余程博識な彼が、それを知らないはずがない。


ほら。

やっぱり、逃げているのはあなたも同じだ。


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