SEED&Destiny 1
□平行線の交叉
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キラを愛しているのだと──その言葉を聞くのは何度目だろうか。
だから甘く、だから優しく、だから──自由にさせる。
彼の内に留まるのも、彼の元から飛び立つのも、キラの思い1つ。
でも──
キラは時々思うのだ。
その逃げ道は、本当はぼくのためじゃなくて──あなた自身のためのものじゃないのかな…?
窓辺で、再び彼の腕にとらわれながら、キラは窓から覗く月を見上げた。
「…ぼくが望めば、あなたは誓いをくれるのでしょうか?」
顔も合わさずに言ったキラの言葉に、抱き締める力が少し強くなった。
「君が望むなら、私は永遠を誓うよ」
余裕をなくした、少しばかり切羽詰まったような声で返された科白。
それを疑ったわけではない。
けれど──
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