SEED&Destiny 1
□あなたは早過ぎて、俺は遅過ぎた。
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シンは慣れないコックピットで、メインキーを始動させた。
《フリーダム》──キラの機体。
シン自身の搭乗機《デスティニー》ではなく《フリーダム》を選んだのは理由がある。
《フリーダム》はどの宙域でも制止を受ける事がない、特別な機体だから。
それと、もう1つ。
彼の旅立ちには、自由の名を冠したこの機体こそが相応しいと思ったからだ。
──海へ。
そんな──彼の、恐らくは最期の希望を叶えるために。
「行きましょうか。キラさん」
シートベルトで固定された窮屈な体勢ながら、キラが笑って頷いたのを確認して、シンはペダルを踏み込んだ。
大戦の英雄たる《フリーダム》のパイロット──キラの状態は、近しい者たち以外には伏せられていた。
それがシンに幸いした。
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