SEED&Destiny 1
□青い宇宙の先に
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地球に降下してから、夜空を見上げるのが、キラの日課になりつつあった。
ザフトの勢力圏内──それも大規模な基地に停泊中の艦内は、平和そのものだ。
常に周囲を警戒し続ける必要のある宇宙空間とは違い、夜はブリッジの宿直担当以外は皆、眠りに落ちる。
そんな静けさの中、夜空を見上げる。
瞬かない星の海──冷たい真空の宙と、同じ色。
何故惹かれるのか、ずっとわからなかった。
だが、今ならわかる。
ぼくの居場所は、此処ではないから。
この艦が、ではない。
もっと大きな意味で。
例えば地球。
例えばプラント。
例えば──
『人』──とか…。
自らの考えに、キラは自嘲気味に口元を歪めた。
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