SEED&Destiny 1
□暗い空の彼方
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シンはキラの隣に並ぶと、キラがさっきまでそうしていたように、夜空を見上げた。
そこに見えるのは、暗い空。
星の瞬きだけが、微かに見え隠れしている。
「暗いだけでしょう」
そう言ってキラに顔を向けると、彼は少し困ったように笑った。
「青い、かな?」
「青──ですか?」
シンが聞き返すと、キラは「うん…」と頷いた。
その笑みに、淋しげな色が混ざった気がして、シンはキラの顔を覗き込む。
キラはシンから目を逸らすように、顔を夜空に戻してしまった。
それに倣うように、シンももう一度暗い空を見上げる。
確かに、夜の空はただの黒ではない。
黒に近い、濃い藍色だろうか。
キラさんは、これを青って…?
シンはチラリと横目にキラを窺う。
その、焦がれるような眼差しを。
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