SEED&Destiny 1
□暗い空の彼方
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その夜、シンは妙に寝付けなくて、目的もなく艦内をさまよっていた。
作戦行動中は、昼も夜もなく絶えず明るく保たれ、誰かしらの姿を見つけることができる艦内も、今は薄暗く静まりかえっていた。
現在シンの所属する艦は、地球のザフト勢力圏内の大規模な基地に停泊中だった。
そのため、艦が周囲を警戒する必要もなく、夜ともなれば僅か数名がブリッジに残るだけで、後は全て自室で眠っているはずだ。
そんな静けさの中で、シンはぼんやりと歩くうちに、後部デッキに辿り着いた。
──あ…。
そこに人影を見つけ、シンは足を止めた。
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