SEED&Destiny 1

□暗い望み
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シンが、艦内にキラの姿が見当たらない事に気付いたのは、L4宙域を航行中の時だった。

常日頃から、キラの行動に注意して見ていたシンだからこそ、その不在にいち早く気付いたのだ。

本来なら航行中の艦から消えるなんて事は有り得ない。
だが、キラはこの艦の最高責任者だ。
それでなくても、彼の高いハッキング能力をもってすれば、小型艇を密かに発進させるくらいは可能だったかもしれない。

実際、偵察・探査用の小型艇が1機なくなっているのが確認できると、最悪の想像が当たった事に、シンは青ざめた。


独りで出てった──!?

何で……!


艦を放って個人行動に走ったキラを責める気はなかった。

それよりも、シンが腹立たしく感じたのは──何も告げられなかった事だ。

無性に苛立つ本当の理由もわからないまま、シンはもう一機の小型艇に乗り込むと、後を追って艦を飛び出した。



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