SEED&Destiny 1

□ツバメの夢
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「いい夢だったんですね」

キラの表情がいつもより柔らかくて、シンはつられるように笑う。

「ツバメが家に入ってきたら良いことがある──って、聞いた事ない?」

「ああ…そういえば──」

年寄りがよく言う迷信の一つだ。
同じツバメの話では『虐めると目が潰れる』という物もある。
ツバメって一体何者なんだ。

「──昔、ばあちゃんに聞いたかも」

「だから、今日は窓もカーテンも開けてたくて…」

部屋が空と繋がっているように。

キラは目を眇めながらも、眩しい空を見上げる。
その目にあるのは、憧憬の色。


夢の中のツバメは、あなた自身じゃないんですか…?

かつては、誰よりも自由にあの空を翔たのは、あなただったのに。



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