SEED&Destiny 1
□ツバメの夢
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「シン、開けておいて」
「でも…」
オーブの強い太陽の光も、潮の匂いを運ぶ風も、今のキラの身体には優しくない。
躊躇うシンに、キラは笑う。
「ツバメがね、入ってきたんだ」
「ツバメ──ですか?」
「うん」
シンは思わず窓から空を見上げる。
黒い羽に白い体、赤いポイントの渡り鳥。
昔は多く見かけられた鳥だが、今は鳥獣保護区以外ではほとんど見かけられない。
それが、入ってきたと言うのか。
この病室に──?
そんなシンの疑問に答えるように、キラが続ける。
「夢だけどね」
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