ガンダム戦隊SEEDレンジャー!
□SEEDレンジャー! 3
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「…出撃、か…」
いつも通りの軽口を叩こうとして、妙に低く詰まった口調になり、ディアッカは僅かに顔をしかめた。
そんなディアッカを、アスランとイザークもからかう事はしなかった。
気持ちは同じだったからだ。
自機を手足のように操り、撃墜した星の数は100を超える。
だがそれは、あくまでシミュレーターでの話だ。
実戦経験はまだない。
「いつも通りにやればいい」
それぞれのカラーのパイロットスーツに身をかためた3人に、ムウは静かな口調で言った。
「お前たちなら大丈夫だ」
3人は無言で頷いた。
多少の緊張はあるのだろうが、それ以上に冷静さを見せる3人に、ムウは少しだけ安心する。
──それでも、ムウは3人がそれぞれの機体のハッチに消えると、苦い表情を浮かべた。
ムウは正規の軍人で、当然実戦経験もある。
だがこの場所にいるムウは支援者の1人でしかない。
まだ少年の域を出ない彼らを送り出す事しかできない自分に、苛立ちを覚えずにはいられない。
(いや──アレは…?)
その時ムウの目に映ったのは、調整途中の戦闘機だった。
「おい、整備班。アレは動かせるのか?」
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