SEED&Destiny 1
□『運命』という名の剣は決意と共に
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「…どうして、俺にこれを…?」
《デスティニー》に目を向けず、重い口調で訊ねるシンに、ラクスは意外な反応だと言いたげに、僅かに首を傾げた。
「『どうして』? これはあなたの機体でしょう? シン・アスカ」
「そう──そうでした……けど…」
《フリーダム》がキラ個人の所有機であるのとは違い、《デスティニー》はザフト所有の機体。
上層部の判断によって、それは容易くシンの手をすり抜けていく物だ。
「今のあなたに、これは不要ですか?」
「それは──」
不要なハズがない。
キラと共にあるため、その隣に並び立つ──あるいは追随するためには、必要な力だ。
だがそれを求める事に、シンは小さくはない躊躇いがあった。
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