SEED&Destiny 1

□涙が還る日
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「キラ」

真上に影が落ちると同時に、ポンっと肩を叩かれ、ぼんやりしていたキラは、ハッとして顔を上げた。

視界が開け、公園の真ん中──噴水の縁に座っていた事を思い出す。

目に入ってきたのは、燃えるような赤い髪。
彼女は前のめりに身体を屈めているせいか、顔にかかる髪を細い指が無造作にかきあげた。

いつもはツンとすましていて、少しキツく見えるその面には、今は柔らかい微笑みが浮かんでいる。
彼女は気の置ける相手の前では、くるくると感情に素直なまま表情を変えるのだ。

「フレイ」

「どうしたの? ぼんやりして。悩み事があるなら聞くわよ」

フレイの方が年下だと言うのに、まるでキラの姉のような物言いで笑い、彼女はキラの隣に腰掛けた。


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