SEED&Destiny 1
□それは試練か
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「──…」
その日、シンは暇を持て余していた。
乗機《デスティニー》の調整に慌てず急がず、余裕をもって3日間の日程が組まれていたが、2日で終わらせたため、残る1日は完全休養日となった。
思いがけない休養日に、手持ち無沙汰になったというワケではない。
この日が休養日となるように、シンはワザと仕事を急いだのだ。
基地内の休憩室の一角、そこのテーブルに突っ伏して懐き倒すシンに、ルナマリアは怪訝そうに眉をひそめた。
「何やってんの?」
シンは身体を起こす事はないまでも、首だけで振り向いた。
「…見たらわかるだろ」
それだけ言うと、シンはまたゴロリと向こうを向いてしまう。
「わかんないから訊いてるんだけど…?」
「……」
今度は振り向きもせずに、ルナマリアに後頭部を向けたまま、シンはブスリと答えた。
「…何もしてないんだよ」
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