SEED&Destiny 1
□ある過去の邂逅
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普段はバス通学のところ、今日は電車を使ったものだからすっかり騙された。
そんな風に考えながらも、シンは取り合えず足を進める。
「あ、シン。こっちな」
いつものように校舎側へ向かおうとしたシンの腕を、ヨウランが引っ張った。
「体育館」
「体育館?」
何かイベントがあったかと、オウム返しで訊ねるシンに、ヨウランとヴィーノは答えずに、笑ってその背を押した。
「すぐにわかるって」
ヴィーノの言葉通り、体育館の入り口をくぐると、何があるのかはすぐに知れた。
内側の扉は閉まって中は見えないが、音は聞こえてくる。
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