SEED&Destiny 1
□君を待ってる
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「──あ、もしもし」
続けて名乗ろうとしたぼくを、向こうの声が遮った。
まぁ名乗るまでもなく、向こうのケータイにはぼくの名前は表示されているだろうけど。
ただ、いつにない荒々しくさえ感じられる剣幕が気になる。
仕事中(時間的には微妙なトコロ)に突然電話した事を怒っているのかと思ったら、そうじゃなかった。
「大丈夫だよ、ありがとう。本当に──何でもないから」
ぼくから電話するなんて滅多にないから、何かあったんじゃないかと心配してくれただけだった。
相変わらず、心配性だね。
それでも疑うような声に、ぼくは笑みをこぼした。
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