SEED&Destiny 1

□青い宇宙の先に
1ページ/11ページ


地球に降下してから、夜空を見上げるのが、キラの日課になりつつあった。

ザフトの勢力圏内──それも大規模な基地に停泊中の艦内は、平和そのものだ。

常に周囲を警戒し続ける必要のある宇宙空間とは違い、夜はブリッジの宿直担当以外は皆、眠りに落ちる。

そんな静けさの中、夜空を見上げる。

瞬かない星の海──冷たい真空の宙と、同じ色。

何故惹かれるのか、ずっとわからなかった。
だが、今ならわかる。



ぼくの居場所は、此処ではないから。



この艦が、ではない。
もっと大きな意味で。

例えば地球。

例えばプラント。

例えば──



『人』──とか…。



自らの考えに、キラは自嘲気味に口元を歪めた。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ