SEED&Destiny 1
□「紅茶」が自分と同意語なら
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「シン、いいところで会ったわ」
通路を歩いていたシンがそんな声に振り返ると、カートを押すルナマリアが手招いていた。
カートにはタグのついた箱や袋が山ほど乗せられている。
ルナマリアはその中の1つを器用に抜き取ると、シンに手渡した。
「それ隊長宛てだから」
確かに梱包された箱の表には『キラ・ヤマト様』と記されている。
艦に乗員たち宛ての荷物が届けられたのだろう。
長くプラント本国を離れる任務につくと、不定期にこういった便が届く。
家族や恋人、友人からの手紙──任務によっては通信手段が限られるため、手紙が結局一番確実で安全なのだ──が多いのだが、中にはこういった小包も混ざっている。
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