携帯獣赤成り代わ
□記憶
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「●●ー、早く来ないと置いてくよ!」
「ちょっと待ってよ。」
《私》は早足で彼女たちの元へ向かう。
「うぅ、眠い」
「最近、あんた何時も寝不足でしょ。何かあったの?」
「いや、ただポケモン始めたら辞められなくてさ」
「ゲーマーめ」
「否定はしない」
友人とクスクスと笑う、何時も通りの幸せな日常。崩れるなんて思ってなくて、本当は崩れるハズか無かったこと。
「てか●●はどれやってんの?最新?」
「シルバー」
「ああ、リメイクだっけ」
「うん、私金銀一番好き。特に前主人公とライバルがでてくる所が」
「んな力説しなくても…」
呆れた様に笑う友人と《私》。そうだ、私は、《私》だった。ポケモンは空想の生き物だった。
なんで、なんで、なんで?
ポケモンは私の大切な仲間で、友達で、家族、なのに…存在してない?うそウソ嘘…だってピカチュウだってそばにいるし、ポケモンはいる。
…じゃあ、私は誰?
「というか、どれくらい進んだの?」
「ふふふ、聞いて驚けっ!レッド戦目前だっ」
「あんた何キャラよ」
レッド、その名前に、どくん、と嫌な感じがした。
「さぁねー。ほら、レッドの真ん前でレポートしたの」
「いや、私見ても分かんないし」
「ぶー、ぶー」
見えた画面のドットで描かれた絵。その中の赤い帽子を被ったキャラクター…
あぁ、私は《私》で、彼なんだと唐突に理解した
***
やっとシリアス。ここからヒイロが鬱々していきます
2011/12/22