携帯獣赤成り代わ
□変化
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「グリーン、イーブイがエーフィになったっ!」
隣の家へと走った私は、ナナミさんへの挨拶もそこそこにグリーンの部屋へと飛び込んだ。
「はぁ?ニックネームでも付けたのかよ?」
てかお前、このタイミングでオレに会いに来るのかよ。…とりあえず軽くふてくされてたグリーンに向かって、エーフィの入っているボールを投げた。
「いてっ」
ボールは弧を画いてグリーンの能天に直撃。別に本気で投げてはないよ。
「不貞腐れるな。グリーンは私のライバルでしょ」
私の言葉にグリーンは一瞬目を見開いた。
「ライバルが不貞腐れてると張り合いないし、私はまだまだ前に進むし、何時までも不貞腐れてると…置いて行くよ」
「誰が置いて行かれるか…このオレが直ぐにお前を引き摺り堕ろしてやるよ」
「じゃあ私は逆に蹴り落としてあげる」
睨み合うみたいに対峙する私達、やっぱりグリーンは負けず嫌いだな。ナナミさんは私達のそこがそっくりって言ってたけど。
「フィー」
「あ、エーフィ」
不意に視界に入ってきたエーフィを撫でる…すっかり忘れてた。
「お前、そいつ…」
「イーブイが進化したって言ったよ」
「マジで?」
「マジ」
驚いて固まったグリーンだけど、小さくため息をついて呆れた様に話す。
「後で、じいちゃんに見せに行かないとな…。つーか、お前こういうのはオレより先にじいちゃんに見せにいけよ」
「なんで?私グリーンだから見せに来たのに」
「っ!」
私がそう言うとグリーンは真っ赤になって立ち上がった。
「ソイツじいちゃんのトコ見せに行くぞ」
「あっ、待ってよ」
私はそのままスタスタと歩いていくグリーンを早足で追い掛けた。
。