純愛人魚
□入学初日
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「はじめまして、桐原桃香と申します。こちらに来てから日が浅く、至らないこともありますが、どうぞよろしくお願い致します。」
退屈な(私からしたら)若造の長い話を終えて、クラスでの自己紹介をしていた。平助とクラスが別れてしまったことはかなり残念だけど、私が体験したことがない学校っていう集団生活は楽しみで、わくわくしていた。
平助は今の政府の義務教育だから、9年?は学校生活をしてたからあんまり目新しいものじゃないって言ってたけど、私にとっては初めてのことだし、大きく時代の流れを感じることでもある(テレビに色がついて、薄くなっててかなりびっくりした。白黒まではしってたけど…)
ただ私よりは遠いけど、確実に人外の気配がする女の子が同じクラスにいた。
…確か、名前は園原杏里だったと思う。
その子は多分、私や千鶴みたいに強い血が流れているんじゃなくて、何かと存在が融合したような感じがした。
自分できちんと抑えているみたいだし、放っておいても大丈夫そうだ。っていう結論を下して私は彼女から目を放した。
その後はほーむるーむだっけ?が終わって隣のクラスの平助と合流する。
クラスの前まで行くと、扉の前で中を覗きながら、どうしようか迷っている人がいた。あれは確か…
「竜ヶ峰君、でしたよね?」
「えっ、そうだけど…桐原さん?だよね」
「はい。挙動不審で、どうしたんですか?」
私が問うと竜ヶ峰君は困ったというより、恥ずかしそうに答えた。
「えっとさ、友達がいるんだけど声かけづらくてね…桐原さんはどうしたの?」
「私も待っている人がいて…」
「みぃかど!来てたんなら声かけろよ……って、お前このお嬢様系美少女どうしたんだよ!?」
不意に竜ヶ峰君の後ろが騒がしくなった。
「あれ?紀田君。もう話しいいの?」
「あぁ、いつまでもお前待たせて置けないだろ。それでこの美少女は?」
彼が竜ヶ峰君が待っていた人らしい。
「同じクラスの桐原さん」
「はじめまして、桐原桃香です。」
私は二百年来の賑やかな生活を予感してふわりと笑った
***
頑張った正臣までだしたし。
2010/11/15