純愛人魚

□長い命の中
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あれからどれくらいの時間がたったんだろう…



平助が灰になってから、何年かして私は九艘の郷に戻ってきた。郷には私と同じ、人間よりも遥かに長い時を生きる同胞たちしかいない。稀に一族の者と夫婦となり、割血の儀式を行うためにくる人間もいるが、彼らも九艘となり私たちと同じ存在となるか、血が馴染まずに死に至るかで私は人間と殆ど関わることが無かった。



ただ確実にわかるのは平助と共に過ごした時間よりも、私がこの郷で過ごした時間の方が何倍も長いということだけ




それなのに私がふとした時に思い出すのは、彼らと過ごした私の人生のほんの一部、人間でいえば十年にも満たない時間ばかりだった。









「桐原、いるか?」

「藤堂さんなにかご用でしょうか?」



郷をでて京の都を観光していた私はちょっとした不幸が重なり、同じ境遇にあった(本人は気が付いてはいないけれど)雪村千鶴という人間ではない女の子と新選組に身を寄せる(所謂軟禁というやつだ。斬られなかっただけましだけど、斬られても私は大したことはない%8
 

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