純愛人魚
□献立
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「平助、今日の晩ご飯和食でいいよね?洋食はまだ上手く作れないから…」
献立どうしようかな…?
すーぱーって色々あるから、逆に悩むなぁ。
「別にいいけど。桃香、普通に洋食もうまいじゃん。」
「ありがとう、でも苦手。」
誉めてもらえるのは嬉しいけど、まだ納得はできないかな?和食作るのに比べて手際悪いし…
「じゃあさ、今度これ作って」
平助が指差したのは、料理の作り方が載っている本で…
「味の保証はできないからね」
どんな味の料理かも分からないし…
「大丈夫だって、桃香の作るもので不味かったの食ったことないし」
「そう言われると、ますます失敗できないから。あんまり期待しないでよ?」
今日の献立は鰺の開きを焼いて、とりあえず、菜の花の白和えと、確かまだ沢庵もあったし、お味噌汁は豆腐でいいかな?
「?」
必要なものを買って家に帰る途中、不意に感じた違和感。なんていうか気配みたいな…
「桃香、どうかしたか?」
問いかけてくる平助を横目に感覚を研ぎ澄ます。
「よく分からない」
私がそう言った時、何処からか馬の鳴き声が聞こえた。
「馬近くで飼ってるの?街中で?」
前ならあり得たかもしれないけど、自動車がいっぱいあるこの時代で?
「街中では飼わないだろ」
「そうだよね。それじゃあ、今の鳴き声は何だったんだろ?」
馬だと思ったんだけど?
「どう聞いても、馬だったよな」
「うん。馬みたいだったと思う。」
だんだんと近付いてくる、何かの気配。多分平助も気付いてる。
「平助、今日の夕飯遅くなるかもしれない」
「了解ー」
目の前で止まった真っ黒な二輪車に乗った真っ黒な人から目を話さないままで、平助は答えた。
***
やっとセルティ出せた。本当はもっと早く出す予定だった(笑)
2011/04/27